待合のお花

2025年7月14日
2025年7月14日

祇園祭の頃には檜扇(ヒオウギ)を生けたくなります。

水辺を想わせる姫蒲(ヒメガマ)と白い貝殻のようなクルクマを合わせて青磁の花器に生け、猛暑の中に涼やかさをと思いました。

姫蒲の黄色い花粉は蒲黄(ホオウ)といい、止血剤としても使われます。毛皮を剥ぎ取られた因幡の白兎に大国主命が「真水で洗って蒲の穂で身体をくるむように」と言う場面があります。茶色い蒲の穂は、はぜると中から柔らかな綿が出ますが、この綿が兎の毛皮のイメージと重なるだけでなく、蒲の穂の花粉は適切な薬でもあったのだなぁと思います。

檜扇(ヒオウギ)

姫蒲(ヒメガマ)

クルクマ(乙女の香り)